リスト取りをする最大のメリットは、見込み客に連絡をとる手段が手に入るということです。連絡する手段を手に入れておくことで、例えば新商品をリリースした際にその情報をメールマガジンで一斉に見込み客に伝えたり、セール情報を送って購入を促したり、実際に店舗に来店してもらったりとアクションを起こしてもらうことが可能となります。
ただし、リスト取りを行うにあたっては「リスト取りの全体像」や、リスト取りからどのように売上を立てていくのか?ということなどについて正しく知ることが必要になります。というわけで、リスト取りで取得したリストに対してメールを送って売上をアップさせていく「リストマーケティング」歴8年の私が、リスト取りとはどういうものなのか。また、リスト取りで稼いでいるビジネスの全体像やメリットはどのようなものなのか、ということについてご紹介していきます。
1.リスト取りとは、見込み客のメールアドレスを集めること
リスト取りとは、ウェブサイトや店舗などに訪れた見込み客から「連絡先(メールアドレス)」を聞き出すことを言います。
「顧客の電話番号や住所などのデーター」のことを、ビジネス用語で「顧客リスト」と呼びますが、同じように「見込み客のデーター(メールアドレスや電話番号)」のことを「見込み客リスト」と呼びます。リスト取りとは、この「見込み客リスト」を「取得する」行為だから、「リスト取り」もしくは「リスト取得」と呼びます。
では、なぜそもそもリスト取りをするのか?と言うと、以下の3点のメリットがあるからです。
- その場で売れなくとも、あとからメールを使って商品の良さを伝えたり、その見込み客が本当に求めている商品がどんなものか、カウンセリングしたりすることが出来る
- 集めた連絡先(見込み客リスト)に対して、メールマガジンを送ることで一斉に情報を伝えることが出来る
- そのことで、ビジネスの売上や集客が安定する
つまり、見込み客の連絡先を残してもらっておくことにより、見込み客に対して売り手側から連絡をすることが出来るようになり、そのことでビジネスの売上や集客が安定するということです。
というのも普通、ブログや店舗に訪問された見込み客がその場で商品を買わなかった場合、売り手からはもう二度と連絡をとることは出来ません。しかし、訪問された際に連絡先をもらっておけば、あとからでも商品の良さをメールマガジンで伝えたり、セールの情報を送ったりすることが出来るようになります。そのことで、最初の訪問時には購入を見送ったという方から購入する方が出てくるようになりますし、再度来店してくれる方が出てくるようになるというわけです。
そして、そうやって連絡先がどんどん増えていけば、メールを一斉に配信するだけで、セール情報や新商品の発売情報を一瞬で全員に届けることも出来るようになり、そのことで積極的に売上を上げていけるようにもなります。
例えば新商品がリリースされた時、見込み客リストを1000人分持っていれば、一瞬で1000人の見込み客に対して新商品の告知をし、販売することが出来る!
2.リスト取りをしているビジネスの全体像・流れ
では、リスト取りをして儲かっているビジネスの全体像・流れはどのようになっているのでしょうか。ウェブサイトからリスト取りする場合と、店舗からリスト取りする場合で、それぞれ以下のような流れになっています。
2-1.ウェブサイトやブログからリスト取りをする流れ
- ブログやホームページなどのウェブサイトに、メールアドレス登録画面(メルマガ登録画面)へのリンクを貼り付けておきます。(上記では「バナーリンク」を例に挙げています)
- ウェブサイト訪問者(見込み客)の中から、リンクをクリックする人が一定数現れます。
- リンクをクリックすると、メールアドレス登録画面に飛びます。
- ここにメールアドレスを登録すると、売り手の発行するメールマガジンに登録されます。このことで、売り手はいつでも見込み客に対してメールを送ることが出来るようになります。
- 一度取得したメールアドレスに対しては、読者が自ら解除しない限り何度でもメールを送ることができます。ゆえに、見込み客の問題解決の方法やコラムを配信したり、新商品情報、セール情報をメールで送ることで、多くの見込み客に一斉に営業をかけることが出来、よって売上が増える。という流れです。
2-2.店舗の来店客からリスト取りをする流れ
- ショップや飲食店などの来店者に対して、メンバーズカードの記入やアンケートをお願いします。
- 記入してくれる方が一定数現れます。
- 記入してもらったメールアドレスや名前を、店主やスタッフが手動でメールマガジンに登録します。(読者にもらった情報を手動でメールマガジンに登録することを「代理登録」と言います)このことで、売り手はいつでも見込み客に対してメールを送ることが出来るようになります。
- 一度取得したメールアドレスに対しては、読者が自ら解除しない限り何度でもメールを送ることができます。ゆえに、店舗で扱っている商品のストーリーや詳細を配信したり、新商品情報、セール情報をメールで送ることで、多くの見込み客に一斉に営業をかけることが出来、よって売上が増える。という流れです。
3.「リスト取り」を必ずビジネスに取り入れるべき4つの理由
3-1.「待ち」のビジネスを「攻め」のビジネスに転換できるから
リスト取りをビジネスに取り入れることで、「待ち」のスタイルのビジネスを、「攻め」のビジネスに転換することができます。というのも、検索エンジンからのアクセスを待つだけのブログ・ウェブサイトなどのメディア。来客を待つだけの店舗。これらは基本的にお客さんが来るまで待つことしかできない「待ちのビジネス」です。しかし、見込み客の連絡先を手に入れていくことで、ただ待つだけでなく、積極的にこちらから営業をかけていくスタイルの「攻め」のビジネスにすることが出来るのです。
お客さんからのアプローチを待つことでしか売上が立たない「待ちのビジネス」をしている限り、売上が上がるも下がるも、お客さんの行動に依存してしまうことになります。しかし、ビジネスを安定させるためには、売上をある程度こちら側でコントロールできることがとても重要です。そのため、見込み客の連絡先を取得しこちらから営業をかけられる状態をつくっておくことがとても効果的だというわけです。
3-2.リピーター獲得に最も効果があるから
リスト取りは、リピーター獲得にも大きな効果があります。ビジネスの収益性を安定させるためには、新規見込み客を集客するだけでなくリピーターを獲得していくことがとても重要になります。以下は飲食店のデーターですが、実際に最も多くの店に起こっている現象は「客数の減少」です。
「客数の減少」というのは、要は開業してから1~2年の間に集まった新規客のリピーター化に失敗し、3年目あたりから客数がグっと減る現象のことを指しています。
というのも、実店舗を開店した場合、最初の1,2年はお店の近所や噂を聞きつけた見込み客が試しに来店されることも多く、大きな努力をせずとも客数が伸びる傾向にあります。しかし、そうやって勝手に集まる新規客は1~2年で枯れると言われており、実際、以下の『営業年数で見る閉店割合のグラフ』を見て頂くと、2年目が過ぎた時点で実に63.6%もの飲食店が潰れてしまっていることが分かります。
こうならないためには、新規集客がしやすい1、2年目の間に来店されたお客さんやウェブサイトから問い合わせがあった見込み客などのリスト取りをしておくことがとても重要です。
仮に来店客の数%でもリスト取りをしていつでも連絡が取れる状態にしていたとしたら、そこに対して定期的にキャンペーンやお店の営業をかけることでジワジワとリピーターを増やしていくことが出来ます。これにより、3年目以降集客数を減らすどころか、3年目、4年目、5年目、、、と、集客数を増やし続けていくことが出来るようになるというわけです。
3-3.人(見込み客)は、商品のことを知れば知るほど欲しくなる性質があるから
リスト取りをした見込み客に対しては、定期的にメールなどで情報提供やメッセージを送っていくことになりますが、このことで見込み客はあなたの商品やあなた自身のことを、初来店時やウェブサイトに訪問した時と比べて「よく知る」ようになります。
消費者心理学の1つに「ザイオンス効果」というものがあり、これは「接触頻度が増えるほど人はその『人』や『モノ』に信頼を寄せてしまう」というものです。そして、これは接触頻度だけでなく、その人やモノの情報を多く知ったり、バックボーンを知ったり、それが出来たストーリーを知ることでも達成されるのです。
つまり、リスト取りをすることで見込み客との接触頻度と提供する情報量を増やすことが可能になるので、結果的にビジネスの売上をアップさせやすくなるというわけです。
3-4.絶対に食いっぱぐれることのない「資産」を作れるから
ビジネスを安定させる上で、最も重要となる「資産」とは、「リスト」です。なぜなら、顧客リストや見込み客リストを持っていれば、今の業界が傾こうと、会社が潰れようと、明日からすぐにリストにメールを送り、何かを販売したりサービスを提供したりすることが出来るからです。
逆に言えば、現時点でいくら大きな売上があったとしても、リスト取りをしていなければ業界が傾いた瞬間に、会社が潰れた瞬間に、何も出来なくなってしまいます。そうならないために、ビジネスが上手くいっている内からしっかりとリスト取りを行い、見込み客リスト・顧客リストを増やしていくことで、ビジネスで食いっぱぐれるリスクを最小限に抑えることが出来るのです。
最後に
リスト取りを始めるためには、あなたが現在取り組まれているビジネスに、「見込み客のメールアドレスを記入してもらう仕組み」を取り入れるだけです。リスト取りが出来るようになれば、以下の5つのメリットを全て享受できるようになります。
- 売り手側の意志1つでいつでも見込み客に連絡をとることが出来るようになる
- 定期的に連絡が取れることで売上をアップさせることが出来る
- リピーターを獲得する事も出来る
- 「リスト」という資産が構築できる
どんなビジネスであっても、まだお客さんになっていない「見込み客」が存在しますし、すでに購入された既存顧客であっても、2度目の購買をして頂けるように定期的なフォローをしていくことはビジネスを拡大させる上でとても大事なことです。ぜひ、あなたもぜひリスト取りを取り入れてみてください。
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