ただ、「開封率」というものは、ただ高ければ良いというものでもありません。ビジネスとして発行するメルマガの1つのゴールが「儲かること」だとすれば、儲かるメルマガをつくるためには、ちょうど良い塩梅を目指さなくてはいけないのです。
というわけでこの記事では、メルマガビジネス歴10年以上で、1度のメルマガセールスで8桁を売上げる著者から、儲かるメルマガをつくるための開封率の最適値と、メルマガ開封率が低い場合の対処法についてもお伝えしていきます。
この記事を読み終える頃には、なぜ開封率は高すぎても低すぎてもダメなのか?ということだけでなく、今後あなたのメルマガをどうしていけば良いのか?という方向性があらためて見えるようになるはずです。ぜひご期待ください!
メルマガの開封率はどのくらいあれば良い?
早速、あなたのメルマガを成果が出るメルマガにするために、どのくらい開封率があれば良いのかを公開します。
「読者属性」と「経過時間」別に見た時に、成果の出やすいメルマガ開封率の基準値は次の通りです。
登録直後70%。2通目以降30%。全体配信なら15%。顧客専用なら60%。で十分な成果が出せる
登録直後の読者(1通目) | 開封率70% |
---|---|
登録直後の読者(2通目以降) | 開封率30% |
未購入者も含む全体配信(登録から2週間~半年以上の読者) | 開封率15% |
商品を購入したことのある顧客向け | 開封率60% |
このくらいの開封率が出せていれば、読者数に応じた「成果」として、ある程度満足のいく数字を出せる土壌が整っていると考えて大丈夫です。
「読者数に応じた満足のいく数字」というのは、あくまで私の感覚としてですが、少なく見積もってもざっくりこれぐらいの売上が見込めるということです。↓
メルマガの読者数 | 登録直後のステップメールセールスの売上 | 日々のメルマガからの売上 |
---|---|---|
100名 | 30万円 | 月収6万円 |
500名 | 150万円 | 月収30万円 |
1000名 | 250万円 | 月収50万円 |
1万名 | 2,000万円 | 月収400万円 |
10万名 | 1億3,000万円 | 月収2,600万円 |
ちなみに、読者数が増えるごとに、読者1人あたりの売上が下がっているのは、メールの到達率や読者属性などが、読者が増えるほどに悪化してしまうからです。
読者が増えるほどに、あなたの読者・見込み客として相応しくない、クレーマーや炎上系の人が一定数紛れ込むというのも、必ずおこってしまう“メルマガあるある”なので、そのあたりも加味して数字を出しています。
ただし、開封率の基準値はこの4つの要素で変わる!
上記で、成果の出る開封率の基準値を公開しましたが、この数字はいくつかの条件によって変わってくる場合があります。というのも、「開封率」は次の4つの要素によって、その基準値が変わってくるからです。
美容系/ビジネス系/不動産系/転職系 etc
❷どこから集客したか
SNS/実店舗/ブログ/ネットショップの購入者リスト etc
❸読者の属性
新規の見込み客(非購入者)/顧客/リピーター/生徒/ファン etc
❹読者登録からの経過時間
登録直後/定期的に発行して半年後/あまり発行せず半年後 etc
分かりやすく言うと・・・
例えばこんな要素を持った読者さんがいたとします。↓
- ビジネスの分野 … 転職系
- どこから集客したか? … 転職サイト
- 読者の属性 … 転職希望で自主登録した読者
- 経過時間 … 登録直後
このような要素を持った読者が大半のメルマガだとしたら、開封率は100%近く出て当たり前の状況です。このようなターゲットに対して、万が一「開封率30%以下」なんかになったとしたら、それは配信の仕方やメルマガ募集の切り口、企画の内容など、何かを大きく間違えている可能性が高いと言えるでしょう。
しかし、普通のメルマガで言えば「開封率30%」は、かなり高い数字ですよね。
同じ「開封率30%」でも、上記4つの要素の違いによって、「良い」場合もあれば「悪い」場合もある。
これが、4つの要素によって開封率の基準値が変わるということです。
先ほど公開した基準値は、❸読者属性と❹経過時間別で出したものです。
それ以外にも、❶ビジネスの分野と❷どこから集客したか?の組み合わせによっても変動するので、あなたのビジネスについて考える場合には、上記の2つの要素についても加味して考えてみてください。
なお、ビジネスの分野別の開封率平均値はこのくらいです
ビジネスの分野別のメルマガ開封率平均値を出した貴重なレポートがあるので、1つの参考にしてみてください。
これは、GetResponseドットコムが、2019年7月~2020年6月の間に顧客が送信した約300億通の電子メールのうち、55億通のメッセージを分析した調査結果です。
↓このようになっています。(開封率が高い順になっています)
業種 | 平均開封率 | 平均クリック率 |
---|---|---|
非営利団体 | 30.85% | 3.60% |
飲食 | 30.09% | 2.99% |
不動産 | 28.37% | 2.42% |
健康 | 26.88% | 3.01% |
アート・エンタメ | 25.97% | 3.17% |
法律 | 25.49% | 2.90% |
スポーツ | 25.15% | 3.32% |
金融 | 24.94% | 3.22% |
代理店 | 24.02% | 2.36% |
自動車 | 23.71% | 2.35% |
美容 | 23.58% | 2.72% |
小売り | 23.28% | 2.69% |
旅行関係 | 22.48% | 1.61% |
教育 | 22.42% | 1.96% |
出版 | 22.17% | 4.29% |
テクノロジー | 19.87% | 2.51% |
コミュニケーション | 19.56% | 2.42% |
インターネットマーケティング | 14.97% | 1.66% |
※GetResponse About the new Email Marketing Benchmarks reportより引用
参考にしてみてください。
ちなみに、よく「メルマガの開封率が測れないのですが、どうすれば測れますか?」という質問を頂くことがありますが、その多くは「テキストメルマガ」を送っていることが原因です。メルマガの開封率を測るためには、テキストメルマガではなく、必ず「HTMLメルマガ」で発行する必要があるのです。
この理由は、メルマガの開封率を測るためには「メルマガ上に画像ファイルを貼り付けておき、その画像が読み込まれた(=開封された)か、読み込まれなかった(=開封されなかった)か?」を、計測する必要があるからです。つまり、「メルマガ上に画像を貼り付ける必要がある」という点で、テキストメルマガには不可能であり、必ずHTMLメルマガでなければならないというわけです。
といっても、特にデザインに凝ったり画像を沢山貼り付ける必要はなく、見た目はただのテキストメルマガと同じでも大丈夫です。
実は開封率ではメルマガの良し悪しは測れない
ここまでに、メルマガの開封率の基準値について解説してきましたが、実は「開封率が高いor低い」だけでは、メルマガの良し悪しを測ることは出来ないのです。
なぜなら、メルマガの開封率は、発行者の運用の仕方次第で、簡単に高くも低くも操作できてしまうし、開封率の高いメルマガよりも、開封率の低いメルマガの方が収益が大きくなることだってよくあることだからです。
ここから順番に解説していきます。
「開封率が50%を超えるメルマガ」は優秀か?⇒そうとは限らない
例えば、「開封率が50%を超えるメルマガがあるよ」と聞くと、一見とても優秀なメルマガに感じると思います。しかし、必ずしもそうとは言えません。なぜなら、開封率が次のような理由で“見せかけ上高くなっているだけのメルマガ”が存在するからです。
→ 読者100名以下程度のメルマガの場合、数値の偏りが大きく出るため開封率が高くなることが往々にしてあります。しかし、その後読者が10倍100倍と増えていった場合、その偏りが解消されて、たいていは低くなってしまうのです。ゆえに読者数が少ない媒体で高い開封率が出ていても、それをアテにしてはいけません。
→ リスト運用をする上で、リストをスクリーニングするのは重要なことです。しかし、スクリーニングを頻繁にやっているメルマガ(=反応の良い人だけを残したメルマガ)で開封率が良くなるのは当たり前ですよね。もしスクリーニングをしないと高い開封率が出せないのであれば、それは真に開封率の高いメルマガ発行術を会得しているとは言えません。ゆえに、リストが整理されているメルマガで高い開封率が出ていても、それをアテにしてはいけません。
→ 新規の読者と比べて、すでに商品を購入してくださった方々の反応が高いのも当たり前の話です。肝心なのは新規の読者に対しても、高い開封率が維持できるメルマガ発行術です。ゆえに、購入者リストや既存顧客向けのメルマガの開封率が高かったとしても、その数字をアテにしてはいけません。
上記のように、一口に「開封率が高い」と言っても、それが本当にすごい数字であるかどうかは、その背景にあるメルマガの運用方法によって大きく変わってしまうわけです。
真に理想的な「開封率が高い状況」とは?
しかし、あなたが理想とする「最も望ましい開封率の高さ」というのは、次のような状況下で高い開封率を叩き出せる力のことではないでしょうか。
真に理想的な「開封率が高い状況」とは…
- ウェブ上から勝手にメルマガに登録してくれた新規読者に対して、放ったらかしで自動配信のステップメールを流しているだけなのに、2週間ほど経っても開封率40%を超えているような状況
- 読者1万名以上の、全体配信のメルマガ(古い読者や非購入者も混ざっているメルマガ)で、開封率が20%を超えているような状況
このような状況で高い開封率を出せているメルマガがあれば、それは本当に優秀なメルマガであると言えます。
そこには、秀逸なメルマガタイトルの付け方や伏線の張り方、時折仕掛けている企画が見込み客のニーズとしっかり合致しているなど、必ず上手くいっている要因があるため、読者をさらに増やしていっても高い開封率が維持され、「売上」という成果も自ずと出てくることでしょう。
しかし、先程あげたような、「開封率が“見た目の上でだけ”高いメルマガ」というのは、増えていく新規の読者に対して高い開封率を維持することができません。ゆえに、読者が増えても大して売上が増えない、燃費の悪い儲からないメルマガになってしまうのです。
メルマガの開封率が高すぎても低すぎてもダメな理由
メルマガの開封率の高さに傾倒しすぎてしまうことのもう1つの弊害があります。メルマガの開封率の高さだけを追い求めている人がやりがちなのが、ストイックすぎるリストの整理(リスト・スクリーニング)です。
開封率の高さを追い求めるあまり、スクリーニングの基準を上げ、少しでも開封しない読者は強制解除してしまうようにすれば、直後は当然開封率が高まりますが、本来ならば売上に貢献する可能性のあった読者まで、切り捨てることになってしまいます。
開封率は、リスト削減やセグメント配信によって簡単に“見かけ上”高めることが出来ますが、何事にも適正値があるのと同じで、やればやるほど良くなるわけではないのです。
開封率の高さが、必ずしも成果に直結しないことは、次の比較を見てみると分かりやすいです。
↓
100人に対してメルマガを流すと、開封率が超優秀で100%(=100名が開封)。
開封した読者の内10%が1万円の商品を購入してくれる。
メルマガS
1000人に対してメルマガを流し、開封率はまずまずの20%(=200名が開封)。
開封した読者の内10%が1万円の商品を購入してくれる。
メルマガAの方が圧倒的に開封率の良い優秀なメルマガに見えますが、結局売上はメルマガSに軍配が上がるわけですね。
【S】1000人の20%=200名開封 のうち10%が1万円購入 = 売上20万円
つまり、メルマガAの方が、開封率は圧倒的に高いにも関わらず、ビジネスとして優秀なメルマガは、開封率の低い「メルマガS」なのです。
あくまで「開封率」というのは、メルマガの優秀度を測る指標の1つでしかありません。ゆえに、ここの高さだけを追い求めすぎても、本当に大事な「売上(成果)」を効率よく上げることは出来ず、最終的なメルマガの優秀度は「目標とする利益が上げられているか?」で測るしかないということは、忘れないようにしてください。
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